Made in Japanの和紅茶・地紅茶の魅力を味わってみませんか?紅茶といえば西洋文化、というイメージは過去のもの。ここ数年では静岡や京都に奈良、伊勢などなど…日本各地のお茶所で製造される、和紅茶・地紅茶が注目されています。そもそも和紅茶とは?地紅茶とどう違うのでしょうか?基礎情報と、おすすめの紅茶をお届けします。
- 国産紅茶の2大巨頭!「和紅茶」「地紅茶」とは
- 旨し麗しのジャパニーズティー!和紅茶・地紅茶のおすすめ12選
- 光るニッポンテイスト|福岡県・八乙女紅茶
- 伝統の釜炒り茶|熊本・お茶のカジハラ
- 国産紅茶グランプリ金賞!|Cold Brew Tea
- 紅茶×燻製の美学|静岡・カネロク松本園
- いざ飲み比べ!|熊本・みなまた和紅茶
- ギフトにもぴったり!|三重・伊勢の和紅茶セット
- 父の日にちなんだ和紅茶|静岡・PaPa Tea
- 季節感じる和紅茶|奈良・月ヶ瀬健康茶園
- プチギフトにぴったり|栃木・那須野和紅茶
- カフェイン控えめ!|長崎県・対馬紅茶
- 和紅茶ならではの甘み|島根 西製茶所(2020/6/30追記)
- 二番茶が味わえる|静岡 水車むら農園(2020/7/17追記)
- お取り寄せする価値がある|岡山 EIJI MIYAMOTO(2021/7/28追記)
- カフェイン控えめな和紅茶×ハーブティー
- 実はLUPICIAでも取り扱いがある和紅茶
- 終わりに~実は身近な紅茶の世界~
国産紅茶の2大巨頭!「和紅茶」「地紅茶」とは
紅茶といえばスリランカやインドに由来し、イギリスなど西洋各地で飲まれているイメージです。海外のドラマや映画をみると、”Morning Tea”や”Afternoon Tea”のワンシーンが映し出され、優雅な光景に憧れがつのります。
しかし、実は日本国内でも紅茶は広く生産されています。しかも生産所の数は年々増え続けているそうです。ここ数年で注目度が増す和紅茶、そして地紅茶。それぞれご解説します。
和紅茶とは
日本国内で作られる独自性のある紅茶。よく似た言葉として「国産紅茶」がありますが、こちらは単に国内生産される紅茶全般を指します。一方、和紅茶には紅茶とは異なる、「和」の飲み物というニュアンスが込められています。
たとえば、11月10日「和紅茶の日」を制定した和紅茶の専門店、コッチャワッチャは、和紅茶を「独立した1つの嗜好品」と表現しています。
私たちは和紅茶を、紅茶や日本茶の中の1つのバリエーションでもなく、コーヒーや紅茶と並び立つ独立した1つの嗜好品として日常生活に普及・浸透させ、和紅茶をやすらぎのティータイムにたのしむ選択肢の1つにぜひ加えていただきたいと考えています。
和紅茶の専門販売店koccha-waccha(コッチャワッチャ)とは
地紅茶とは
和紅茶と並んで注目される言葉で、「地紅茶」があります。和紅茶と同様に日本特有の紅茶で、特に「地域・地元」の特色を反映したものが地紅茶と呼ばれます。地ビールや地酒と同様に、地域の風土や生産元の個性が現れた商品が数多くあります。
2019年12月に第18回を迎えた全国地紅茶サミットでは、茶研究の第一人者として知られる武田 善行氏が、地紅茶を「地域ブランド色の強い紅茶」として発表しています。
地紅茶
今、一番おもしろい地紅茶 第18回 地紅茶サミット in あいち 2019年12月8日
地酒、地野菜など地域の特徴、こだわり、生産者の顔の見える販売など、地域ブランド色の強い紅茶。小規模生産者が多い。
和紅茶と地紅茶の違いは?
和紅茶と地紅茶には共通点も多く、特に区別せずに商品名などに使われることも多いようです。書籍「ニッポンの地紅茶」内では食にたとえるなら、『和紅茶が「和食」で地紅茶が「郷土料理」』と表現されています。読んで字のごとく、和紅茶は「和、ニッポン」がテーマ、地紅茶は「地元、郷土」がテーマということでしょうか。ただし、それぞれに厳密な要件や定義は(現時点で)ありません。
和紅茶
「ニッポンの地紅茶 完全ガイド」枻出版社 2019/10/10初版
現在、日本国内でつくられる紅茶のこと。和=日本とイメージできて、わかりやすく、和紅茶のなで商品化するメーカーも多い。
(略)料理にたとえると…和食
地紅茶
民間主導でつくられる紅茶。地紅茶には地域や地元・地方でつくられた紅茶という意味と、地域づくりや地域活性化の対象として生まれた紅茶という意味がある。
料理にたとえると…郷土料理
旨し麗しのジャパニーズティー!和紅茶・地紅茶のおすすめ12選
日本人なら一度は飲んでいただきたい。いえ、一度といわず毎日の暮らしに取り入れてみませんか?飲めば心が和む和紅茶。その土地の文化を感じる地紅茶。ここではおすすめのMade in Japan紅茶をご紹介します!
光るニッポンテイスト|福岡県・八乙女紅茶
和紅茶を試すなら、まずおすすめしたいのが緑茶用の茶葉でつくられた紅茶。セイロンやアッサムなどとどう違うのか、飲み比べてみませんか?
福岡県八女産の茶葉を使用した「八乙女和紅茶」は、見るも雅なパッケージが目印。苦みが少なく、甘みが特徴。スイーツ・和菓子のおともにしたい一品です。
伝統の釜炒り茶|熊本・お茶のカジハラ
青々とした景色が美しい熊本県・芦北にて、伝統の釜炒り茶を守り続ける農園があります。一般的なお茶は蒸して発酵させますが、釜炒り茶は読んで字のごとく、釜を火にかけ茶葉を炒ります。この透き通った黄金の水面は、釜炒り茶特有の色だそうです。小規模経営で昔ながらの製法を守り続ける試行錯誤のなかで、和紅茶の生産にも尽力されています。
渋みが少ない夏摘みの和紅茶。プレゼントにもぴったりです。
国産紅茶グランプリ金賞!|Cold Brew Tea
美しいボトルワインのような佇まい。風味豊かな和紅茶をボトルに閉じ込めたCold Brew Teaシリーズは、各種メディアで手土産グランプリに輝く人気作です。
茶葉は静岡の井村農園のものを使用。2019年国産紅茶グランプリで金賞に輝いた本格和紅茶です。この茶葉を山梨県の工場にて加工。八ヶ岳の天然水を使用し、茶の持ち味を最大限に引き出しています。特別なシーンにふさわしいボトルド・ティー。和紅茶との出会いがこんな一品だったら、最高ですね。
紅茶×燻製の美学|静岡・カネロク松本園
地紅茶のなかでも、ひときわ異彩を放つのがカネロク松本園の燻製紅茶。日本唯一の燻製製法で、香りづけした茶葉は、スモーキーで魅惑的なフレーバー。使用しているのはウイスキーの樽チップ。これを使用することで、独特の香りがつくのだそう。
燻製製法にこだわり、香りづけに添加物を使用していないのも魅力の一つです。すでに地紅茶を飲んだことがある方にも、ぜひ試していただきたい。
いざ飲み比べ!|熊本・みなまた和紅茶
和紅茶・地紅茶の楽しみといえば、さまざまな農園・お茶屋さんが手塩にかけた紅茶と出会えること。国産であり、生産者の顔が見えるのは大きな魅力です。そんな和紅茶の楽しさに目覚める飲み比べセットはいかがでしょうか?
熊本県内の4つの茶園の紅茶を詰め合わせたセットです。「四天王」と呼ばれる「みなまた和紅茶四天王」「お茶の坂口園」「天の製茶園」、そして前述の「お茶のカジハラ」もバッチリ収録しています。
ギフトにもぴったり!|三重・伊勢の和紅茶セット
お茶といえば静岡や京都だけではありません。全国有数のお茶の産地、三重県でも和紅茶が作られています。「伊勢の和紅茶」は松阪産のやぶきた茶だけを使用し、まろやかで甘みのある紅茶に仕上げています。
こちらのフレーバードティーは香料不使用。素材のもつ香りだけで風味を実現しています。柚子・レモン・生姜の3種セットは、大切な人への贈り物にもぴったりです。
父の日にちなんだ和紅茶|静岡・PaPa Tea
お茶の本拠地、静岡にある西村農園。ウェブサイトを覗くと親子三世代がお茶畑を背景に笑顔で決めた写真が。創業100年、家族経営で紅茶を製造しているそうです。まさに作り手の顔が見える地紅茶です。
やぶきたの二番茶でつくられる「ぱぱ・てぃー」は父の日に誕生したことが名前の由来だそうです。農園で働くお父さん、そのまたお父さん、そしておじいちゃん…脈々と受け継がれるお茶づくりの結晶でもある紅茶。甘みがある好評の一品です。
季節感じる和紅茶|奈良・月ヶ瀬健康茶園
古都、奈良。大阪、名古屋からもほど近く、四季折々の自然が楽しめる月ヶ瀬は、知る人ぞ知る観光スポットでもあります。そんな月ヶ瀬に居を構える月ヶ瀬茶園は、スリランカや中国など、海外で精力的に学ぶオーナーが和紅茶を生産しています。
「春摘み」は一番茶の和紅茶です。カテキン含有量が比較的少なく、穏やかな味わい。このほかにも「夏積み」「べにひかり」など、和紅茶としては珍しい豊富なラインナップです。
プチギフトにぴったり|栃木・那須野和紅茶
栃木県烏山の製茶場でつくられる、那須野和紅茶。緑茶で有名な「やぶきた」を使用した無農薬の紅茶。20年もの歴史があるそうです。日本茶で知られる茶葉を、紅茶にして味わう楽しさ。同じ茶葉から、こうも違うお茶が生まれるのかとびっくりさせられます。
10個入りのティーバッグは、お試しに用に持ってこいの手軽さ。ちょっとしたお礼の品など、プチギフトにぴったりです。
カフェイン控えめ!|長崎県・対馬紅茶
長崎県の離島、対馬でも地紅茶が作られています!自然豊かなこの土地で、独特な感性によって生み出される紅茶。他にはない一風変わった商品が揃っています。
中でも女性におすすめしたいのが、焙じ茶ならぬ、焙じ紅茶。ほうじ茶同様に茶葉を焙じることで、カフェインが抜けるため一般的な紅茶に比べて低カフェインです。甘みと香ばしさが同居する新感覚の地紅茶といえるでしょう。
和紅茶ならではの甘み|島根 西製茶所(2020/6/30追記)
大正12年創業。3代目で始められた和紅茶づくりは、今の4代目に伝わり出雲の味わいを世に広めています。黒を基調としたパッケージに、紅色のラベル。期待感を高めるには十分なデザインです。
一口飲んで甘い、二口飲んで甘い、三口目で感じる絶妙な渋み…。西洋紅茶では味わえないような、強い甘みの中にしっかりとした渋みが感じられます。通常のダージリン紅茶と飲み比べるのも楽しいでしょう。
二番茶が味わえる|静岡 水車むら農園(2020/7/17追記)
静岡県藤枝市の水草むら農園。日本有数のお茶所から届いたのは、夏にぴったりなネーミングの七夕紅茶。7月ごろに採取される二番茶を使用して作られた地紅茶だそうです。シンプル・素朴なパッケージに好感が持てます。まさに日本らしさを感じさせてくれる紅茶ではありませんか。
まろやかな味わいで、えぐみが無く、小さな子供とも楽しめる紅茶です。紅茶に対する華美なイメージが、良い意味で変わるような…素朴で味わい深い一品です。
お取り寄せする価値がある|岡山 EIJI MIYAMOTO(2021/7/28追記)
岡山県新見市にて10年前にオープンした茶園。「宮本英治」のブランド名で最初の和紅茶を販売したのが2013年だそうです。開発した紅茶はNo.1~No.7。中でもより新しく自信作であるのが、このNo.7だそうです。
紅茶缶はルピシアなど他のメーカーでも多用されますが、こちらの缶はとってもオシャレ!そして美しいパッケージに負けないしっかりとした紅茶。マグカップでも美味しく飲めますし「これだけ美味しいのだから、せっかくならティーポットで淹れようかな」と思わせてくれる風味豊かな和紅茶。日持ちもするプチギフトとして、何個かまとめて注文しておく予定です。
カフェイン控えめな和紅茶×ハーブティー
一般的に紅茶は、珈琲と比較するとカフェイン量が控えめです。食品安全委員会によると紅茶100mlあたりに含まれる紅茶はおよそ30mg。(珈琲はこの倍にあたる60gです。)妊娠・授乳を理由にカフェインを控える場合、目安となる1日の摂取量は200mgです。それ以外の健康な大人の場合、1日400mgまでならカフェインによる健康リスクは生じないとされています。つまり紅茶1杯を200mlとした場合、妊婦さんでも3杯くらいまでなら飲んで大丈夫という計算になります。詳しい数値を知りたい方は、以下の引用元(リンク先)をご参照ください。
習慣的なカフェイン摂取に関しては、妊婦を除く健康な成人で400 mg/日以下であれば健康リスクへの懸念は生じない。妊婦については、習慣的なカフェイン摂取200 mg/日以下であれば、胎児に健康リスクは生じない。
食品安全委員会「食品中のカフェイン」
とはいえ、大丈夫とされている基準よりも、さらにカフェインを控えたいという人も多いですよね。筆者は妊娠・授乳中ではありませんが、紅茶は1日1杯~2杯までにセーブしています。そして2杯目以降はカフェインレス紅茶やハーブティーを愛飲しています。和紅茶・地紅茶に関しては残念ながら、まだカフェインレス・デカフェの商品が一般化していません。ただ、紅茶とハーブを組み合わせた和紅茶なら自然と茶の摂取量も抑えられ、味の変化も楽しめる点でおすすめですよ。
「よもぎ」と和紅茶|熊本 お茶のカジハラ(2020/7/24追記)
2020年7月九州を襲った大豪雨によって、お茶のカジハラさんでも床上浸水の被害に見舞われたそうです。何かできることはないかと紅茶を注文したものの、かえってご迷惑でなかったか心配が残りました。インターネットがかろうじてつながっている旨と、受注の確認ができたことをしらせるメール。そして1週間ほどで素敵な紅茶が届きました。大変な状況の中、ご対応いただき本当に感謝したいです。心よりお見舞い申し上げます。
発酵よもぎと地紅茶を組み合わせた本品は、ほのかな清涼感を感じる甘みが特徴のハーブ和紅茶です。1個につき2gのティーバッグタイプで、渋みもほとんどありません。穏やかな飲み心地は妊婦さんや冷えに悩む女性におすすめできます。あなたもこんな一杯から、今日をがんばるパワーをいただいてみませんか?
実はLUPICIAでも取り扱いがある和紅茶
「世界のお茶専門店」で知られるLUPICIA(ルピシア)も、実は和紅茶を取り扱っています。静岡県掛川の有機紅茶や 佐賀県の嬉野紅茶など。お近くに店舗がある方にとっては、お手軽に複数の和紅茶が入手可能。LUPICIAは時期にもよりますが、試飲サービスを実施しているため、テイスティングをお願いしてみるのもいいかもしれません。
終わりに~実は身近な紅茶の世界~
紅茶といえば、はるか遠くの国でつくられるもの、というイメージでした。しかし今では私たちが住んでいる県、身近な地域で紅茶が作られています。和紅茶・地紅茶を作っている農園の方々は、どなたも試行錯誤を重ね、新たな味を生み出しています。紅茶を楽しむことで生産者の皆さん、ひいては地元産業を応援することにもつながるでしょう。あなたのご贔屓の一杯を見つけてみてはいかがでしょうか?